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禅が如く
時の言葉が耳朶に尚 新た
いまいましい幻を虚空に投じ
一隅が呵責の動じさせると
無限と読める矢文が擦り減った
身に降りかかる末路が
ここにあらずと流れ行き
節度を無くした情報は
戻るべき所を無くして漂った
世道を遠回りし
語り過ぎた比喩は
ただただ神の使いを名乗る
博打の夢を見た
博徒の夢も見た
一心不乱を知り
凩が退屈を彩る
まどろむ気配達
それは枕の仕業
降臨した夢魔を
肌で感じたらば
また掟をやぶる
胸の辺りの言葉が
五体を巡り
ひとしきり影を消す
ただの からっぽ
諸行無常の鐘の音
それはいかなる事やら
世はことに あらあらと
心の狂った作ばかり
それに列ぶサマを窺い
恥を重ねる月日を思う
なんと あはれ
同じ天に同じ月
同じ星に同じ闇
異なるは一刻
それでも変わらぬ人模様
陽炎が写す姿と
合わせ鏡に消えた姿が重なって
砂塵が自分の名前になった
少し酔ったのかもしれない
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