仕掛け

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仕掛け

車内に越路吹雪が流れる 目覚めたるは内なる嵐 大きな輪廻が前触れを宿すと 鏡の先に野望が覗く 早さが深みを奪う頃 閉じた瞼が今を称えた 勝ち目なし 光に堕ち闇に目覚める 仕掛けたるは内なる姿 大きな景色が微粒を纏うと 語り過ぎた浮世が踊る 懺悔と富が同じになり まどろむ瞳が凩を乞う ただの風景 大義名分が人身に染みる 化けたがるは装う徒夢 大きな無知が日常を嘆くと 身動きしない猫が鳴く 気付かぬ己を見出だす時 右と左の色が異なった 有り触れた景色 桃色の空気で紅が変化する 無法に憧れるはだんだら模様 大きな呼称が日々を加えると 現れぬ友を待つのを止める 夜が朝になり昼が夕になる頃 愛の賛歌を消去した 栄枯盛衰 願わくば一世風靡
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