0人が本棚に入れています
本棚に追加
*七竈の実*
赤く小さな実が揺れる
葉のない枝に彩を
白い世界に、明りを灯すように
キレンジャクが実をついばみ
ぽたりと赤い実が落ちる
雪化粧した地に
真っ赤な色の実が落ちる
血の雫のように
今宵は誰が血を流す
この赤い実のように
*唇*
紅い紅いその唇は
白蝋のような肌の上を這う
氷のように冷たく
だが、情熱的に
唯一無二の己の姫を求めて
彷徨う
そして、紅い血に誓いを立てる
きっといつの日か
必ず
寄り添うのだと
最初のコメントを投稿しよう!