叶わずの詩集

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  *七竈の実*  赤く小さな実が揺れる    葉のない枝に彩を  白い世界に、明りを灯すように  キレンジャクが実をついばみ    ぽたりと赤い実が落ちる    雪化粧した地に  真っ赤な色の実が落ちる  血の雫のように    今宵は誰が血を流す  この赤い実のように       *唇*     紅い紅いその唇は  白蝋のような肌の上を這う  氷のように冷たく  だが、情熱的に  唯一無二の己の姫を求めて  彷徨う  そして、紅い血に誓いを立てる  きっといつの日か  必ず  寄り添うのだと image=470848814.jpg
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