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その正義を疑え、そして小説を書け
自分の正義を貫くために他人の正義を踏みにじる。
自分が幸福になるために他人を不幸にする。
人間とはそういう生き物であるということをまず受け入れる。
それが大人への第一歩であろう。
この第一歩を踏み出せていない主人公には魅力を全く感じない。
ぺらっぺらに薄っぺらいからだ。
ロシア人はロシアの正義のためにウクライナの正義を踏みにじる。
ウクライナ人はウクライナの正義のためにロシアの正義を踏みにじる。
だから世界から戦争がなくならない。
勿論、正義感が不要だとは思わない。
人が生きていく上で恐らくそれは不可欠なものだろう。
ただ、常に疑って欲しい。自分自身に問いかけてほしい。
”その正義は本当に他者の正義を踏みにじってでも貫かなければならない正義なのか?”
世界を知り己を知り、深く思考した末に出した答えなら、結論が是でも非でも、それはその主人公の矜持となるだろう。
そういう主人公だからこそ読み手は引き込まれるのだ。
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