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高校へ入学して間もないある日の夜、黄一郎は標識にしがみ付く化物と遭遇する。翌朝、そこにあった標識は無くなっていた。
その日の夕方、ずっと夢であった軽音部の扉を叩くも入部を拒否され、やけくそで路上ライブをしているところを軽音部の部長・赤音に助けられる。
赤音と立ち寄ったファミレスで、魔が差した黄一郎は彼女のギターケースを覗き見る。そこには『一時停止』の道路標識が入っていた。
標識を見てしまった黄一郎は、ある場所へと連れて行かれる。そこでは夜な夜な行われるという異能を秘めた道路標識『非常識道路標識』の争奪戦が繰り広げられていた。
標識を盗むのは犯罪だというのが黄一郎の意見。しかし赤音達は、標識の意味を強制的に従わせる能力を持つ非常識道路標識を事故多発地点に設置し、未来の交通事故を未然に防ぐという活動を行っていた。そこに感銘を受け、黄一郎は軽音部もといチーム『ラブリーくまちゃんズ』に入部する。
ある日の帰り道。黄一郎は例の化物がいた標識のところで不意に己の過去を思い出す。黄一郎はそこで交通事故により父親を失っていた。赤音の推測では、標識に宿る異能はその近くで亡くなった人の想いらしい。黄一郎は父の想いがこもっているであろう『横風注意』を必ず取り戻すと意気込む。
初陣で何もできず落ち込む黄一郎の前に、チーム『アイスクラウド』の氷介が現れる。氷介は黄一郎が『横風注意』を持っていないと知ると、自身の非常識道路標識『凍結注意』で父の形見のギターを破壊した。
氷介の発言で父の想いがこもった『横風注意』を奪ったのが赤音達であることを知った黄一郎は、チーム脱退を申し出る。赤音はそれを受け入れると、氷介と決着を付けるべく一人戦場へと赴く。
その後、黄一郎はチームメンバーの青國から真実を聞かされ『横風注意』を託される。
赤音の元へは青國が到着するも、戦局は変わらない。絶体絶命というところで、『横風注意』を持つ黄一郎が参戦する。
三人力を合わせて勝利を勝ち取り、氷介の危険な『凍結注意』を処分する。そして彼らは、次に狙う非常識道路標識を相談するのであった。
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