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遠い昔、ある異国で私たちは造られた。
『マーチ・ドーラン』それが、私たちを造った人の名前だった。
彼には娘が居たの。アリスといって、とても美しい少女だったらしいの。
でも、病気がちだった。
…あの日、雪の日、私たち…いえ、アリスは死んだ。
悲しんだマーチは禁断の魔術に手を染めた。いえ、染めずにはいられなかった。
『人形蘇生』。……人形を魂の器にして人間を蘇生させる、禁断の魔術。
本体は、人間になれたの。それが、貴女。まぁ、何回か生まれ変わってるけどね。
でも、感情は入れることが出来なかった。器の大きさが足りなかったのよ。
そして、私たちは分けられた。
マイと私は対の人形だから、別れることは出来ないわ。
…対になる子はまだまだいるわ。
マーチが造らなくても、人間は新たな感情の人形を造り出した。
だから、私たちはアリスに戻ろうと何年も何年も頑張ったわ。
でもその代のアリスが死ぬと、私たちはまた眠り、バラバラになってしまうの。
再会するだけで一苦労。
そのかわりアリスが目覚める…いえ、生を受けると、私たちも目覚めることが出来る。
だから、私たちはここに来た。
……もうすぐ、他の感情も来るわ。楽しみにしていることね。…
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そう言って、ネスは静かに笑った。
「ね!!マイたちは貴女に会いに来たの、亜衣音っ!!!」
「うん…ありがとう。」
「…どうしてありがとうなの?」
ネスが不思議そうな顔をした。
「…私、今までこんなだったから、仲良い子なんて居なかったの。だから貴方たちが会いに来てくれただけで嬉しいの。」
「えへへ~♪照れちゃうなぁ♪」
私は嬉しそうに笑うマイの頭を撫でた。
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