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☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。 遠い昔、ある異国で私たちは造られた。 『マーチ・ドーラン』それが、私たちを造った人の名前だった。 彼には娘が居たの。アリスといって、とても美しい少女だったらしいの。 でも、病気がちだった。 …あの日、雪の日、私たち…いえ、アリスは死んだ。 悲しんだマーチは禁断の魔術に手を染めた。いえ、染めずにはいられなかった。 『人形蘇生』。……人形を魂の器にして人間を蘇生させる、禁断の魔術。 本体は、人間になれたの。それが、貴女。まぁ、何回か生まれ変わってるけどね。 でも、感情は入れることが出来なかった。器の大きさが足りなかったのよ。 そして、私たちは分けられた。 マイと私は対の人形だから、別れることは出来ないわ。 …対になる子はまだまだいるわ。 マーチが造らなくても、人間は新たな感情の人形を造り出した。 だから、私たちはアリスに戻ろうと何年も何年も頑張ったわ。 でもその代のアリスが死ぬと、私たちはまた眠り、バラバラになってしまうの。 再会するだけで一苦労。 そのかわりアリスが目覚める…いえ、生を受けると、私たちも目覚めることが出来る。 だから、私たちはここに来た。 ……もうすぐ、他の感情も来るわ。楽しみにしていることね。… ☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。 ☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。 そう言って、ネスは静かに笑った。 「ね!!マイたちは貴女に会いに来たの、亜衣音っ!!!」 「うん…ありがとう。」 「…どうしてありがとうなの?」 ネスが不思議そうな顔をした。 「…私、今までこんなだったから、仲良い子なんて居なかったの。だから貴方たちが会いに来てくれただけで嬉しいの。」 「えへへ~♪照れちゃうなぁ♪」 私は嬉しそうに笑うマイの頭を撫でた。
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