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「マオくんごめんね。はい!これ、プレゼント!」
「へ?」
「開けてみて!」
私が選んだんだもの。似合わないはずがないわ。
「うわっコート!?」
「そっ。あれボロボロじゃない?それに会ってすぐぐらいの頃に、もうそろそろ新しいの買わなきゃって言ってたし。思い出の品って訳でもないみたいだったから。」
お金も教えてもらったから買い物したかったのよね。
初めて自力で買い物したものはマオにあげたかったし。
「うわー…。ありがと!着ていい?」
「もちろん!」
「おぉー。大きさも大きめでいい感じね。」
…口が裂けても気持ち小さめのサイズ買ったなんて言えない。
大きすぎたら可哀想だと思ったから…うん。
「やっぱりこれもあった方がいいわね。」
買っておいて正解だったわ。
「レースタイ?」
「そっ。よしっ完璧♪鏡にGO!」
「う、うんっ。」
「ほら、完ペキ☆」
「うわ…。」
「大人っぽくなったでしょ?」
無言で何度も頷くマオ。
相当嬉しかったと見た。
「…ありがと!」
「どういたしまして。」
やっぱり人にありがとうって言われると嬉しいなぁ。
今までありがとうって言われたことなんか数える程しかないし…。
「高そう…。貧乏人な僕には…あはは。でも値段より気持ちだよね。だから値段は考えない。値段考えたら受け取れなくなりそうだし。シェーラの気持ちを受け取りました。」
「ありがと。」
マオの物の考え方好き。
「それにしても、シェーラって姫っぽくないよね。」
「へ?何で?しかも何で今のタイミング?」
「いやっ。ボロくなったら買えば良いって考え方じゃなかったから。ほら、シェーラには気を悪くする言い方だと思うけど、お金持ちってお金はいくらでもあるから物のありがたみがよくわからないってよくいうじゃない?ていうかよく言うんだ。」
「あぁ…。私は、お母様が亡くなってるからね。お母様に何か買っていただくことはもう出来ない…。」
「そっか…。」
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