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ハブメルとの中庭事件から3日後
の昼下がり、貸し切りと化した食
堂にキルリとヒールが向かい合う
ように座っていた。
護衛にはシロと颯人先生。をハブ
メルはつけさせ、今この様な状態
なわけだ。
「戦以来か」
「はい」
淡々とした会話。しかし、それは
ヒールによりくつがえされた。
「大きくなったね…キルリ」
「えっ…なんで
貴方に私は…」
そうキルリはヒールに会ったこと
が最近までないのだ。
「僕は…かまいたち
風は僕の目にもなる。
見てたさ…ずっと、ずっと歯がゆ
かった…助けたいけど助けられな
い自分を何度追い詰めたか」
そう漏らしたヒールに偽りはない
。事実、ヒールは悔しい思いだっ
たのだ。
「氷柱にも謝罪したよ…僕の力不
足のせいだと…本来なら僕は3人
での暮らしを思っていた。
けど、氷柱の一族が許してくれな
かった…結果、お前にも氷柱にも
苦しい思いを…させた」
マフィアなばっかりにとヒールが
呟いた。生まれながらマフィアの
ヒールはこの時ばかりは自身の人
生を呪っていた。
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