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朝。
「パパー起きるー」
「パパー、おきてー」
2人の子供、アミとレンがキルリ
が寝る布団を引っ張る。
これが最近訪れたキルリの日常だ
。
「颯人せんせー、来ちゃうよ?」
「迷子せんせー、来ちゃうー」
ぐいぐい引っ張る2人、ビクとも
しないキルリ。
と、そこに新たに力が加わり、布
団は見事に剥がされた。
「ルーチェ先生…俺もあんたも遅
刻するんだけど」
「んー…おはよう颯人
アミ…、レンも
2時間前に何を言ってるやら…
朝食を作るよ。アミ、みんな呼ん
できて、レンはテーブル拭いて?
」
子供達に役割を与え、キルリは調
理場に立った。
「パンケーキってどうかな?
自然な甘さとかが美味しいんだけ
ど」
「甘いならなんでもいいよ」
「フフ…困ること、言うね颯人は
」
フライパンを使いながらキルリが
着々と朝食を仕上げていく。それ
を颯人先生が選んだ食器に移し、
並べていくのは、もはや日常だ。
「1つ言うね颯人」
言うが早いか、キルリは指輪を颯
人から外した。それは颯人に溺れ
る事を誓わせた物。それがキルリ
により外されたのだ。
「もう終わった…來紋 颯人
貴方は…自由だよ
もう、私達に構うことなんてない
。いわば本当のお客様に戻った。
ごめんね…今まで縛っていて」
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