第2章

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「ぷっ…くっ…瑞希、どんま…ぷっ…」 「穂香。笑い事じゃない。」 「だって…私は陰で支えるとか言っといて…しかも、橋本と…ぷっ…」 穂香にしたら、よほどおもしろいだろう。 ずっと笑っている。 「…穂香、運なの。運が悪いだけなの。」 穂香が何か言いかけたその時。 「違うんだよ、人はそれを運命と言うの。ね、早瀬ちゃん。」 急に後ろから声がしたから、驚く。 「あ…安達くん…」 振り向くと、クラス委員の安達悠哉(あだち ゆうや)くんが立っていた。 安達くんは皆のリーダー的存在で、いつも輪の中にいる人気者。 正直、モテる。 でも、今の私の目には彼はそう映らない。 なぜなら、 私と昂祐を実行委員にした、あの忌々しいくじを作った張本人だから。 私は、こんな訳の分からない運命は信じてない。 だから、最初から疑っていたことを彼にぶつける。
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