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「そこで気の利いたことくらい言えたらかっこいいのにねえ…」
「俺はそんなことしなくてもかっこいいんですぅー」
「あはは、なに言ってんの。彼女いたこともないのにねえ」
「…あるけど?」
「…え?」
「だからー、彼女いたって。」
私が固まってなにも言えないでいると、
実行委員長から仕事の内容について説明が始まったので昂祐はそっちに集中し始めてしまった。
委員長は分かりやすく説明してくれていたみたいだけど、私の頭の中だけすうっと通り抜けてしまった。
知らなかったんだ。
昂祐に彼女なんて…
聞いたこともなかった。
そのとき私はまだ気付いていなかったんだ。
何も言えなくなるほど驚いてしまった理由に。
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