第3章

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「あ、おかえりー!どうだった?」 教室に戻ると穂香と安達くんが待っていてくれた。 …ふたりとも、右手にシャーペン。 左に参考書。机にはノートがいっぱい。 さすが、学年トップクラスの2人は違うなと思う。 「あ、うん、大丈夫!仕事は出来そうだよ!」 「そう、よかった。わかんないこととか俺に聞いてね。」 なぜか常に協力的な姿勢の安達くん。 まぁ、ありがたいけど。 「うん、ありがとう。」 私は素直に感謝の気持ちを口にした。 「俺がつくったくじで選ばれたんだからさ」 「じゃあ昂祐と一緒にしないでよ…」 「それは運だから、しらねーよ!」 あははっ、と安達くんが笑う。 この期に及んでまだ安達くんを疑っていた私は少し申し訳なくなってきた。
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