第1章

5/8
前へ
/37ページ
次へ
私のクラスは、なぜか席替えが1週間に一度。 毎週月曜日の朝にくじを引いて、それが1週間続く。 常に新鮮な環境で勉強出来るように、という担任の配慮。らしい。 けど、9週連続隣が同じとくれば新鮮さなんて微塵もない。 私にとっては、大迷惑…。 私と昂祐は、なんというか、幼なじみでありながらあまり深く関わってこなかった。 でもその距離感は近すぎず遠すぎず、私達に丁度良かったから2人とも何も言わなかった。 それが高校に入った途端、“席替え”という日常のミニイベントによって強制的に近づけられるなんて……。 「はぁ…。正直どうしたらいいか…」 「何だよお前、まだ言ってんのかよ」 「………いや、何でもない」 「ふーん。ま、来週は絶対隣になんねーし」 「どこにそんな根拠が…」 「……気合?」 「………馬鹿か…」 「おい、馬鹿はねーだろ馬鹿は!!!」 「私は事実しか言ってないけど?だいたい昂祐は小学生のときも………」 「橋本、早瀬!お前ら仲良いのはわかったから黙れ!授業中だぞ!」 あ、やば。 …………でも先生。 私達、 「「仲良くないっ!!!!」」 またハモった… 最悪すぎる… クラスは爆笑に包まれる。 穂香、馬鹿笑いしてても美少女保てるのか。 横に立ってる昂祐を睨むつもりでちらりと見る。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加