悪魔になった男

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確かに安田グループの一人だ。 狭川に逃げていたのか。しかしついに死んでしまった。魔の手からは逃れられなかったのだ。 「これで後は安田だけだ。西崎は徐々に安田を追い詰めてる。それにしてもいちいち残酷だな」 「あーこわこわ」 「ちょっと待って、公式発表もまだって事は警察に知り合いがいるのか?」 「うんまあ、警察というか警察じゃないというか…まあ力を貸してくれないでもない人ならいる」 何やら曖昧な言い方でまき子はお茶を濁した。 「そんなのどうやって知り合うんだ?」 「ある人の紹介。やっぱりこういうのは人脈がある程度大事だから」 「でも警察関係者なら捕まらないのか?」 「だから親密にはならない。やばくなったら全部燃やして逃げる」 その言葉はまき子が遊びでやっている訳ではないというある意味でのプロ意識みたいなものを感じさせた。 「でもどうやって情報なんてもらうんだ?」 「穿いてるパンツあげたらイチコロ」 俺はお茶を吹き出した。 「なっ、そんな事しれっと言うか普通?」 「やっぱりお堅い職業の人間の変態率は高いからね。って嘘うそ。やっぱりお互いの情報交換が基本。もしくは対価を支払う」 それを聞いて何だか一安心してしまった。 こんな無愛想な奴が色仕掛けを使うなんて思いもしなかったから。 「…でもさ、何でマサキは安田が犯人だと思ったの?」 俺には突然のまき子の質問の意味がわからなかった。 「えっ?」 「何か確証は?」 「いや、それは…」 「今日あたしがマサキに言いたかった事ってのはこれなのよ。事件が起きたのは12日、日付変わって13日の夜中1時過ぎ。大山公園だよね?」 「ああ、そうだ」 まき子はどんなネタを掴んだんだ? すると横のモニターに防犯カメラの映像が写った。 「まずはこの写真。コンビニの外の防犯カメラなんだけど、これ。この前の道路を走ってるバイクの集団って安田たちでしょ?」 まき子はゆっくり画像を拡大していく。 夜道だが店の明かりが外灯のお陰であまり暗くはない。 「確かに安田っぽい」 奴らはありがたい事にヘルメットをしていないのでよくわかる。 「ここはどこだ?」
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