死刑囚

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「もちろん。こいつはいつも突っ走って自爆して挙げ句に僕が責任取らなきゃいけないんですから、そりゃあもう」 どちらも言いたい放題だ。 今でもだが俺は素直な生徒だったはずだと思うのだが。 そんな中、二階から昼休憩中の京子が降りてきた。 流石の京子も喜ぶだろう。 「おい京子、お前も上林先生知ってるだろ?来てくれてるぞ」 京子は俺の言葉にチラッとこちらを見る。 「誰それ?」 「ほら、この顔見た事あるだろ?」 京子は目を細めて上林先生を見つめた後、軽く納得したように頷いた。 「ああ、どうも」 「ど、どうも」 あまりにも愛想の無い挨拶に上林先生も少し困惑気味になる。 そして昼食であろうリブサラダを持って京子は二階へと去った。 「人見知りなんですよ。気にしないで下さい」 「そりゃ印象も変わるよ。知ってる頃はずっと子供だったし。その事思うとお姉さんになったよ。まだ中学生か?」 「中学三年です。まあ今は事情があって通ってないんですけど」 俺は余計な事を言ってしまったと後悔した。 普段ならあまり触れない話題なのに思わずは気軽に話してしまうようなオープンさが上林先生にはある。 「勿体ないとは思うが、行きたくなければそれもいいんじゃないか?」 そう言うと先生は察してくれたのかそれ以上何も語らなかった。 「あーあ、俺も先生に担任してもらいたかったなぁ……」 健ちゃんがタバコの煙をフーッと長く吐いた後で誰に言うわけでなく呟いた。 「そう言ってくれるのはうれしいけど、お前の担任は東野見るより大変だったろうな」 先生は笑いながら言ったが、俺は問題児ではない。 「そんな事ないっすよ。先生が担任なら学校楽しく行くでしょ?って事は授業ちゃんと受けるでしょ?って事は賢くなるでしょ?って事は今頃進学校に通ってエリートコースだったのになぁ」 「おい、バカが何か言ってら」 先生の切り返しに俺らは笑った。 「小学生でタバコを熱心にやってる奴はいくら俺でも無理だぞ」
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