10.内政手術

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リヴァルデ王国でのひと時を過ごした一行は、帰国後、溜まっていた問題を消化することにした。 言い出したのはリリス(ブラック化してるよ既に)。 後押ししたのはリサ。 押し切られたのは俺。 ひょっとして、尻に敷かれ始めているのか? 「ぐぁーーー思い出しただけで腹がたちますわ。カスケール公爵!!!」 ん?カスケール…カスケール、カスケール… あぁ無能番号1番の王族か… そう言えば、リヴァルデ王国への移動中に刺客を差し向けたのは奴だったな。 なるほど、リリスの怒りの原因はそれか。 リサも憤っていたようだが、リリスのイライラぶりを見て冷静になっているようだ。 そのイライラモードのリリスを眺めていると、なにやら決断したようだ。 リリスの表情が和らいだ。 「カスケール公爵といい、グルンヴェルデ伯爵といい、良い機会です。害悪は全て、さばきましょう。」 ん?さばく?裁くじゃなく? リリスの言葉に妙な違和感がある。 何故リリスは杖を持つのだろう? リサも違和感には気付いているのか俺に視線を向けている。 「監獄へ逝ってもらいましょう」 逝って?行ってじゃなく? 杖持って? 「ま…待ちなさいリリス。まず何処へ行く?」 「えっ?ベルルリクス公爵以外の王族邸宅と、グルンヴェルデ伯爵の監獄ですが?大丈夫です。三枚おろしは得意ですよ。」 俺の問いにリリスはスラッと答える。 まるで、近所の八百屋に野菜を買いに行くかのような回答。 「落ち着きなさい。リリス…とにかく冷静に…」 「そうよリリス。何を無茶苦茶な…どうせなら私も行きましょう」 俺の説得にリサも同調…いや、後半オカシイ。
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