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リヴァルデ王国でのひと時を過ごした一行は、帰国後、溜まっていた問題を消化することにした。
言い出したのはリリス(ブラック化してるよ既に)。
後押ししたのはリサ。
押し切られたのは俺。
ひょっとして、尻に敷かれ始めているのか?
「ぐぁーーー思い出しただけで腹がたちますわ。カスケール公爵!!!」
ん?カスケール…カスケール、カスケール…
あぁ無能番号1番の王族か…
そう言えば、リヴァルデ王国への移動中に刺客を差し向けたのは奴だったな。
なるほど、リリスの怒りの原因はそれか。
リサも憤っていたようだが、リリスのイライラぶりを見て冷静になっているようだ。
そのイライラモードのリリスを眺めていると、なにやら決断したようだ。
リリスの表情が和らいだ。
「カスケール公爵といい、グルンヴェルデ伯爵といい、良い機会です。害悪は全て、さばきましょう。」
ん?さばく?裁くじゃなく?
リリスの言葉に妙な違和感がある。
何故リリスは杖を持つのだろう?
リサも違和感には気付いているのか俺に視線を向けている。
「監獄へ逝ってもらいましょう」
逝って?行ってじゃなく?
杖持って?
「ま…待ちなさいリリス。まず何処へ行く?」
「えっ?ベルルリクス公爵以外の王族邸宅と、グルンヴェルデ伯爵の監獄ですが?大丈夫です。三枚おろしは得意ですよ。」
俺の問いにリリスはスラッと答える。
まるで、近所の八百屋に野菜を買いに行くかのような回答。
「落ち着きなさい。リリス…とにかく冷静に…」
「そうよリリス。何を無茶苦茶な…どうせなら私も行きましょう」
俺の説得にリサも同調…いや、後半オカシイ。
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