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「先に言っとくが、マルスとアーシェを信用したからこその情報提供だ。この図形は他には漏らすなよ。理由は後で説明する」
その言葉にマルスとアーシェは頷いた。
リリスとリサは不安そうな顔をしている。
似た図形を知っているからだ。
それは、とりあえず今は放置。
やがて、マルスとアーシェの前には報告書が山の様に積まれる。
で、鬼の形相で報告書を捲り始めるマルス。
「リリス、リサ、せっかく用意していただいたお茶だ。頂こう?」
そう言って俺はリリスとリサに笑いかけると、ようやく二人は落ち着いた様で、マルス以外はティータイムを堪能する。
おいしく頂きましたーーーー。
と言いたくなった辺りで、マルスの報告書を捲る手が止まる。
今まで、バシャバシャバシャと景気良く音を鳴らしていた手が止まったお陰で、探していたのが終わったことを俺達は知る。
「…あった…」
マルスの呟き。
リリスとリサはその呟きを聞いて俺を見る。
「俺を疑うなよ。俺も同じことは出来るが、俺以外の人も出来てもおかしくないんだから。」
その言葉にマルスとアーシェは驚いた。
…さっきも言ったと思ったがなぁ…
「例えば…ガルドリア連邦国の人とか…」
……
…
なんか、空気重くない?
俺の一言が空気を一気に重くした。
「想像で物を言っていないか?根拠はあるのか?」
マルスがゆっくりと言葉を紡ぐ。
アーシェも疑いの目線。
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