無詠唱の賢者

９．空間の断裂

「はい。ピンと来た様子のリサちゃん正解」

その言葉にこの場の一同はリサに注目。

「つまり、その象形魔法というか、魔法陣というのは、無属性魔力で発動する？」

リサの回答が疑問系なのは、俺に確認する意味だろうな。
そのリサの回答を聞くと、皆も顔を青くする。

「正解。つまり、魔法陣と使い方を知ってれば、誰でも使える…。言うまでも無く、空間の断裂は誰でも起こせるって訳だ」

そこに提示された情報は悪夢だった。
皆、顔を青くしているのは、そういった意味で危険な情報だから…。

「さっき、俺言ったよな。図形は他には漏らすなよって。そういう理由だ」

その俺の一言に一同は各々で頷いていた。
で、リリスが今度は復活を見せる。
大局を見る見識が一番深いのだろう。

「マコト。原因は判りました。犯人が誰なのかは判らないものの、その足取りは判ります。でも、そんなもの、今後どうやって防ぐのですか？今までは塞ぐだけで、膨大な魔力を放出して相殺して対処しているのに」

青くする原因はコレだ。
この疑問の解決策が、どこにも思いつかないのだ。

「まずは、この現象を起こしている犯人を捕まえる。これが第一段階」

そこまでは、どんな無能が考えても思いつく対策だ。