10.内政手術

3/23
860人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
リサを見ると、剣を腰に差し始める。 リサはリサで怒りを抑えるのが一杯一杯だった所に、リリスが起爆剤を用意したものだから、一気に燃え上がったようだ。 だから、俺もリリスだけではなくリサまで一緒に止める羽目になる。 「二人とも待てぇ!!!!」 俺は慌てて二人を止める。 静かな表情で、リリスとリサは俺を見る。 ぐぁーーーブラックリリスだけでも手一杯なのに、ブラックリサまで居るし。 「何か?」 リリスの静かな一言は俺の周りの気温を確実に20度は下げたぞ。 寒さに震えながら、俺は折れるしかないが、妥協点は必要だ。 「ともかく、三枚おろしは駄目!魔法を封印して、国民に事実公表した上で、監獄送り。これが俺に出来る最大限の譲歩だ」 その言葉にリリスもリサもニッコリ笑顔を返す。 「マコトが言うならそれでも構いませんが、魔法を封印なんて出来るんですか?」 リリスもブラック化を解除して俺に聞いてくる。 まぁ魔法を封印なんて聞いたことが無いだろうからな。 結界に封印ってのはよくあるけど。 なので、魔法使いの監獄には維持費が凄くかかる。 国費の予算を検討する上で頭痛の種になっている位だ。 輝聖石の没収だけで、魔法の発動はなくなるが、身体強化等は輝聖石がなくとも出来る。 なので、結界送りなのは一般的なのだ。 「論より証拠。リサ、会いたくないだろうけどシルフィーと共にグルンヴェルデ伯爵を王の間に連れて来てくれ」 そう言って、リサにグルンヴェルデ伯爵を連れてくるように指示を出し、仮面を付けるとリリスと王の間で待つことにした。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!