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リサを見ると、剣を腰に差し始める。
リサはリサで怒りを抑えるのが一杯一杯だった所に、リリスが起爆剤を用意したものだから、一気に燃え上がったようだ。
だから、俺もリリスだけではなくリサまで一緒に止める羽目になる。
「二人とも待てぇ!!!!」
俺は慌てて二人を止める。
静かな表情で、リリスとリサは俺を見る。
ぐぁーーーブラックリリスだけでも手一杯なのに、ブラックリサまで居るし。
「何か?」
リリスの静かな一言は俺の周りの気温を確実に20度は下げたぞ。
寒さに震えながら、俺は折れるしかないが、妥協点は必要だ。
「ともかく、三枚おろしは駄目!魔法を封印して、国民に事実公表した上で、監獄送り。これが俺に出来る最大限の譲歩だ」
その言葉にリリスもリサもニッコリ笑顔を返す。
「マコトが言うならそれでも構いませんが、魔法を封印なんて出来るんですか?」
リリスもブラック化を解除して俺に聞いてくる。
まぁ魔法を封印なんて聞いたことが無いだろうからな。
結界に封印ってのはよくあるけど。
なので、魔法使いの監獄には維持費が凄くかかる。
国費の予算を検討する上で頭痛の種になっている位だ。
輝聖石の没収だけで、魔法の発動はなくなるが、身体強化等は輝聖石がなくとも出来る。
なので、結界送りなのは一般的なのだ。
「論より証拠。リサ、会いたくないだろうけどシルフィーと共にグルンヴェルデ伯爵を王の間に連れて来てくれ」
そう言って、リサにグルンヴェルデ伯爵を連れてくるように指示を出し、仮面を付けるとリリスと王の間で待つことにした。
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