10.内政手術

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小一時間程で、リサ、シルフィー、グルンヴェルデ伯爵が王の間に到着した。 リリス、リサ、シルフィーは何をするのかわからない。 「さて、グルンヴェルデ伯爵、気分はどうかね?少々手狭な部屋で申し訳ないとは思っているのだよ。」 その俺の言葉に、グルンヴェルデ伯爵は露骨に嫌そうな顔をした。 「閉じ込めた俺に相当な怒りもあるだろうね。そんな君に王としてこれを少しの間だけ返してあげよう」 そう言って輝聖石を放り投げる。 それはグルンヴェルデ伯爵の足元に転がる。 その行動にリリスもリサも慌てた。 シルフィーは何がどうなっているかすら把握できていない。 「王様、一体何を…彼にそんなものを渡したら…」 リサの言葉も正しい。 リリスは慌てながらも、俺の行動を理解しようとはしているようだが、理解は出来ていない。 「近衛副隊長、グルンヴェルデ伯爵の縄を解け」 「しかし…」 「良い。構わないから解きなさい」 シルフィーの提言を無視して俺は指示を出す。 シルフィーも俺のこの行動には驚いているが、何か裏があると勘付き渋々ではあるが指示に従い、縄を解く。 グルンヴェルデ伯爵も状況が飲み込めていない。 ただ、自分をあの屈辱的な部屋に拘束した張本人が目の前におり、縄が解かれた上で、取り上げられた輝聖石が足元にある。 グルンヴェルデ伯爵も、すべき行動は決まっている。 …復讐だ… 「自称復讐感謝祭も構わないが、先に一言。魔法は使わない方が良い。これは親切心からの忠告だ」 俺のこの言葉はグルンヴェルデ伯爵は聞き入れるだろうか? …無理だろうな… グルンヴェルデ伯爵は足元の輝聖石を拾う。 リサとシルフィーは身構えるが、俺が手で制す。 リリスは俺の後で身動きしない。 俺は、玉座の肘掛に肘を置き、顎に手を置いてゆったりと待つ。
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