10.内政手術

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紅茶を飲みながらボーーーとしていると、ドアがノックされる。 「どーぞー」 もはや、ダルい。 デスクワークは慣れてたが、キーボード相手が中心の為、書き出すのは面倒の一言。 返事もいい加減になるさ。 「マコト、大丈夫?」 今の俺のグッテリ具合を見兼ねたのか、リリスが声をかける。 俺が右手で左肩を叩いているのを見ると、リリスが俺の後に回って、肩揉みしてくれる。 あーー極楽。 幸せーー。 そんな様子を手持ち無沙汰に眺めるリサに気付き、本題に入ることにする。 「さて、もうリリスやリサが切れるのは勘弁だからな。真面目に仕事してみた」 そう言って、俺は先程の書類を指差す。 リサは不審に思いつつも、書類を捲る。 一枚捲って数行内容を確認した後は、凄い勢いでページを捲っていく。 擬音語を使うなら、ダララララララッって感じ? その勢いにリリスもビックリ。 一通り捲ると、リサはため息一つ。 書類を無言でリリスに渡して、今度は、リサが肩を揉んでくれた。 で、リリスも全く同じ行動と反応を示した。 ただ、違うとすれば、捲り終わった後は、机にドサッと書類を置いたくらいか。 なんと言って良いか判らないが、バサッでなくドサッと書類がある辺り、不正・腐敗が深刻とわかる。 そう、今の書類は、不正な金の流れの一覧表。 いわゆる、裏帳簿の一覧表って所かな。
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