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紅茶を飲みながらボーーーとしていると、ドアがノックされる。
「どーぞー」
もはや、ダルい。
デスクワークは慣れてたが、キーボード相手が中心の為、書き出すのは面倒の一言。
返事もいい加減になるさ。
「マコト、大丈夫?」
今の俺のグッテリ具合を見兼ねたのか、リリスが声をかける。
俺が右手で左肩を叩いているのを見ると、リリスが俺の後に回って、肩揉みしてくれる。
あーー極楽。
幸せーー。
そんな様子を手持ち無沙汰に眺めるリサに気付き、本題に入ることにする。
「さて、もうリリスやリサが切れるのは勘弁だからな。真面目に仕事してみた」
そう言って、俺は先程の書類を指差す。
リサは不審に思いつつも、書類を捲る。
一枚捲って数行内容を確認した後は、凄い勢いでページを捲っていく。
擬音語を使うなら、ダララララララッって感じ?
その勢いにリリスもビックリ。
一通り捲ると、リサはため息一つ。
書類を無言でリリスに渡して、今度は、リサが肩を揉んでくれた。
で、リリスも全く同じ行動と反応を示した。
ただ、違うとすれば、捲り終わった後は、机にドサッと書類を置いたくらいか。
なんと言って良いか判らないが、バサッでなくドサッと書類がある辺り、不正・腐敗が深刻とわかる。
そう、今の書類は、不正な金の流れの一覧表。
いわゆる、裏帳簿の一覧表って所かな。
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