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「王様より、勅命を賜った。この逮捕状に従い、逮捕を行う」
そう言って、振り上げた逮捕状の束…近衛隊隊員はビックリした。
何十人居るんだろう…。
いつの間にこんなに調べたんだ?
シルフィーもリサの活動内容はある程度把握している。
こんな量の調査などしていないのは気付いている。
こんな量の罪状特定も俺が来てからだと、感づいている。
なので、自然と、シルフィーの視線が俺に突き刺さるわけだ。
「お前、何者だ?」
シルフィーの自然とも思える質問は、「さぁ?」というとぼけた俺の答えに沈黙した。
で、逮捕した人を、馬車に乗せつつ、次の逮捕者宅へと向かう逮捕旅行は、2昼夜続き、ようやく、監獄へ全ての人を放り込むと、近衛隊は王宮へと帰還した。
途中、逮捕に納得いかない連中が、馬車からの逃亡を企画したが、企画倒れにしたし、邸宅を訪ねた際に逮捕されてたまるか!とばかりに反抗する人達も、近衛隊の懇切丁寧な説得(主に剣を使った肉体言語)で納得してくれた。
で、今は王の私室に居るわけだ。
「だー疲れた。俺って怠け者を自認してるんだけどなぁ。」
ベッドに横になると、天井をボーっと眺めている。
テーブルに着いてリサと紅茶を飲んでいるリリスはそれを聞いて口を開く。
「何が、怠け者ですか…私も仕事はそれなりに出来ていたつもりですが、マコトを見てると、いかに至らなかったかが嫌でも見えてしまいます」
そのリリスの言葉にリサも頷いて同意を示す。
「俺は大きな問題になる前に、少ない労力で問題を消す。だから、大事は苦手だよ」
そう言って、ため息をつく。
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