10.内政手術

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「それより、リリス、国民への公開罪状通知の知らせは発表したのか?」 その質問に、リリスはハテナ顔。 「それは王の仕事です。草案位は作りましたが…」 確かに、王の仕事かなぁ。 草案はありがたい。 俺はテーブルに着き、紅茶を飲む。 「助かる。もう頭は使いたくない…」 草案を受け取って内容を確認すると、後はサインだけになっている。 さすがリリス。仕事が速い。 俺はペンを手に取り、サインすると、仮面を着けると侍従長を呼んで渡す。 「なんか、仮面が面倒くさくなってきた」 もう、すでに俺のやる気は0、無気力って感じかな。 あと、2日で公開罪状通知となる。 切れ掛かった集中力を再び張り直すと、目の前の問題を解決することにした。 「さて、場所は王宮に罪人を入れるのは反対されたから、一番広い国民広場でするとしても…あの罪人の数は並べきれないぞ。どうする?」 リリスもリサも無言。 案はない。 しょうがないので、広場の手前で馬車に詰め込んでおいて、一人ずつ引き出す案を言ってみる。 「それでは、晒す時間が短く、国民の不満を解消することは出来ません」 リサの言うことも、もっともだ。 不完全燃焼の怒り程怖いものはない。 …ん?待てよ… 我・閃・妙・案・也 突然疲れた頭の中で閃いた名案にニヤリと頬を緩める。 その時、リリスとリサはその場の空気が10度程冷えたのを感じ、ブラックマコトの再来を知る。 リリスとリサは、ブラックマコトの笑顔に引きつっていたが、リリスが恐る恐る声をかける事にした。 「マコト…何を思いついたんです?」 「ん?いや、大した事じゃない。ちょっと魔力の無駄使い?」 俺の晴れやかな笑顔をリリスとリサは怯えた表情で見つめる。 今の俺の言葉に、怯えたのだ。
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