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「それより、リリス、国民への公開罪状通知の知らせは発表したのか?」
その質問に、リリスはハテナ顔。
「それは王の仕事です。草案位は作りましたが…」
確かに、王の仕事かなぁ。
草案はありがたい。
俺はテーブルに着き、紅茶を飲む。
「助かる。もう頭は使いたくない…」
草案を受け取って内容を確認すると、後はサインだけになっている。
さすがリリス。仕事が速い。
俺はペンを手に取り、サインすると、仮面を着けると侍従長を呼んで渡す。
「なんか、仮面が面倒くさくなってきた」
もう、すでに俺のやる気は0、無気力って感じかな。
あと、2日で公開罪状通知となる。
切れ掛かった集中力を再び張り直すと、目の前の問題を解決することにした。
「さて、場所は王宮に罪人を入れるのは反対されたから、一番広い国民広場でするとしても…あの罪人の数は並べきれないぞ。どうする?」
リリスもリサも無言。
案はない。
しょうがないので、広場の手前で馬車に詰め込んでおいて、一人ずつ引き出す案を言ってみる。
「それでは、晒す時間が短く、国民の不満を解消することは出来ません」
リサの言うことも、もっともだ。
不完全燃焼の怒り程怖いものはない。
…ん?待てよ…
我・閃・妙・案・也
突然疲れた頭の中で閃いた名案にニヤリと頬を緩める。
その時、リリスとリサはその場の空気が10度程冷えたのを感じ、ブラックマコトの再来を知る。
リリスとリサは、ブラックマコトの笑顔に引きつっていたが、リリスが恐る恐る声をかける事にした。
「マコト…何を思いついたんです?」
「ん?いや、大した事じゃない。ちょっと魔力の無駄使い?」
俺の晴れやかな笑顔をリリスとリサは怯えた表情で見つめる。
今の俺の言葉に、怯えたのだ。
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