唯一無二。

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***** 「この子、藍那ちゃんが中学の時から好きだったのよ。」 悲しそうに笑う店長は小さく話し出した。 「でも、伝えられなくて。 年の差10才じゃね。さすがにって、思ったんだと思うわ。 でも、雑誌見てショック受けてたわ。」 雑誌。 それはきっと藍那が初めて載ったやつのことで。 相当なショックだったのだろう。 「それでストーカーなんかに・・・。 でもそんなのが免罪符になるわけじゃないわ。 それに美容師の命であるハサミで人を傷つけようとするなんて。」 「ーー・・・こいつを、どうするんですか?」 被害者である藍那は今気を失っている。 相当、きつかったはずだ。 明日香が動画を撮っといてくれたから。 警察にいけば立派な証拠になる。 「よければ俺に預けてくれないかな? 大丈夫。こいつ、今はショックでこんなことしちゃっただけなんだと思う。 でももし信用出来なければ警察にいってくれて構わない。」
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