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「この子、藍那ちゃんが中学の時から好きだったのよ。」
悲しそうに笑う店長は小さく話し出した。
「でも、伝えられなくて。
年の差10才じゃね。さすがにって、思ったんだと思うわ。
でも、雑誌見てショック受けてたわ。」
雑誌。
それはきっと藍那が初めて載ったやつのことで。
相当なショックだったのだろう。
「それでストーカーなんかに・・・。
でもそんなのが免罪符になるわけじゃないわ。
それに美容師の命であるハサミで人を傷つけようとするなんて。」
「ーー・・・こいつを、どうするんですか?」
被害者である藍那は今気を失っている。
相当、きつかったはずだ。
明日香が動画を撮っといてくれたから。
警察にいけば立派な証拠になる。
「よければ俺に預けてくれないかな?
大丈夫。こいつ、今はショックでこんなことしちゃっただけなんだと思う。
でももし信用出来なければ警察にいってくれて構わない。」
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