第2話「修行」

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「じっちゃん!中の人、軽い火傷で済んだみたい!」 出てくるなり、ルトが言った。 「ありがとうございます。長老さんと、お孫さんのお陰で助かりました」 島びとがそう言うと、イグネが言った。 「不幸中の幸いじゃったな!いやぁ、助けることができてよかった。どれ、そのくらいの火傷ならわしの回復術でもいけるのぅ」 『回復術 リストレーション』 火傷がみるみる治っていった。 「ありがとうございます。火傷まで治していただいて、なんとお礼したらいいものか」 「ホッホッホ。長老なんじゃから当たり前じゃよ。明日は島のみんなで、お手伝いじゃな。フォッフォッフォ。」 「でも一体どうやって火を止めたんですか?」 ルトも気になっていることを島びとが言った。 「一瞬、二酸化炭素を充満させて、酸素がない状態にしたんじゃ。それで、消化完了じゃ。そしてすぐに、今度は綺麗な空気を充満させて、正常な空気に戻したんじゃ。」 「すごいなぁ」「すげぇ」 2人が同時につぶやいた。 「あ、そうじゃ、ルト。ルトも火傷を治してやろう」 「ないよ!」 ルトはケロっとしていた。 「え、ないって、火傷がないのか?」 イグネは不思議に思った。 火の中に飛び込んでいって、火傷を負っていないわけがなかったからだ。 「もしかして、ルト。お主…」 このあと、何人か駆けつけてきた人たちもいたが、みんな死人が出なくてよかったと言っていた。 この島はそんな、島の住民同士が互いに協力し合う、とっても平和なところだった。 こんな温かい島は、世界中のどこへ行っても、なかなか見つからないだろう。 この島は世界地図にも載らないような、小さな小さな世界の一部。 そう、この島の外の世界は、ひそかにゆっくりと、危険な世界になりつつあった。
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