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「これも持って行くといいじゃろう」
イグネが差し出したのは、赤い石だった。
「綺麗な石だねぇ。なにかに使えるの?」
石を見ながらルトが聞いた。
「それはパワーストーンと言ってな、魔力を高めてくれるんじゃ。所持しているだけでも効果があるが、ピンチになったとき、その石がすごい力を与えてくれる。だが、自分に合った性質の物じゃなきゃ、そこまで大きな力は与えてくれん。まあ、その自分に合った性質の物を見つけるのが大変なんじゃがな」
「ありがとう!!助かるよ、じっちゃん。じゃあ、もう行くね!」
「わしも港までついて行くわい!」
「わかった!」
2人は家を出て、港まで向かった。
港には島びとたちが来てくれていた。
「みんな…来てくれたんだね!」
「あったりまえじゃねーかルト!にしてもまだ14歳なのに島を出るなんて勇敢だな!」
ルトのお兄さん的な存在の、ハワードが言った。
「ハワードさん!俺がんばってくるよ!!」
ハワードは働き者で、島のみんなからも好かれていた。
「あ、そうだルト。クオーツって…知ってるか?」
ハワードが少し小声になって言った。
「クオーツ?」
ルトも少し小声になる。
「ああ、クオーツ。最近この島にも噂が流れてきたんだけどよ、そのクオーツっての、パワーストーンの何倍ものエネルギー源になるらしいぜ。本物は世界に1つしかないとかなんとか。まあ俺が知ってんのはこれくらいだ。あとは自分で確かめてみな!」
ハワードがルトにこぶしを突き出した。
「いい情報ありがとう!それは手に入れなきゃね。ははは」
ルトが嬉しそうに笑った。
「よし、行ってこい!!!」「頑張るんじゃぞ!!!」「行ってらっしゃい!!!ルト!」
ハワード、イグネ、島のみんなが手を振って言った。
「うん!行ってくる!じっちゃん、ハワードさん、島のみんな!行ってきます!!!」
ルトは一番近いジャデン島という島に向かった。
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