第1話「決意」

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翌朝。 い 「じっちゃん!!!大変だ、じっちゃん!!!」 ルトの大きな声でイグネは目覚めた。 「どうした、ルト??」 「母さんが・・・母さんが!!」 ルトはイグネの手を引っ張り、そのまま外の第二研究室に連れて行った。 「一体どうしたというのじゃ、ルト」 ルトの目線の先にベルが倒れていた。 「ベル!?なにがあったんじゃ、ベル!!!」 「う・・・誰かが・・・急に入ってきて・・・。」 ベルがそう言うと、イグネは言った。 「何者かにやられたんじゃな?すぐにわしの魔導術で助けてやろう!」 イグネはそう言ったが、回復術が苦手だった。 『回復術 リストレーション!!!』 透明に輝く光がイグネの杖の先から出て、ベルの体を覆った。 だが、回復力は不十分だった。 「く、くそ・・・わしの力じゃ足りない・・・」 「おじい・・・ちゃん・・・ルト、よく聞いて・・・。回復薬は盗まれたわ…。でも、研究書はある。きっと・・・なにかの役に・・・たつわ・・・だから・・・だから・・・」 「ベル、もう喋るな!!わしは出来る限りのことをする!ルトは回復術が使える者を呼んでくるんじゃ!」 「わ、わかった!じっちゃん!!!」 それから数時間後、母さんは最後に一言言って、この世から去った。 俺たちは最善を尽くした。 母さんを助けるために、島のみんなが駆けつけてくれたんだ。 回復術を使える人、回復薬を持ってきてくれた人。 でも、母さんは想像以上にダメージを受けていた。 島はここ数十年ずっと平和だったから、回復薬も回復術も大した技術はなかった。 ただ一人、趣味で回復の研究をしていたのは母さんだけだった。 そういえば・・・ 最後に母さんが言った言葉・・・ 「強くなるのよ。ルト。」 俺は決めた。 この物騒な世の中を… 変えてみせる。
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