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「いいか、ルト。まずは基礎の説明からじゃぞ」
「説明かぁ。簡単にお願いしまーす」
嫌そうな顔でルトが言った。
ルトは勉強が苦手で説明を聞くのも苦手だった。
「わからないことがあれば質問すればいいだけじゃ。では説明するぞ。まずこの世界にはな・・・」
この世界には、錬金術師、魔導師、特殊能力者の3タイプの人間がいる。
術者の力量や特別な術者もいるが、主に次の特徴がある。
『錬金術師』・・・主に物質の形状を変えることができる。錬成陣の側で手をかざすことで術を発動する。発動前に錬成陣を破壊されたら無力である。
『魔導師』・・・主に物体などを出現させることができる。魔導陣の側で杖などを使うことにより術を発動する。杖を破壊されたら無力である。
『特殊能力者』・・・錬金術でも魔導術でもない特殊な能力を使うことができる。陣は必要としない。能力を目覚めさせるには何かきっかけが必要である。
ここ最近の急激な技術発達により、これらの特徴を覆すことも有りうる。
ちなみに、錬金術・魔導術・特殊能力この3つを総称して『魔法』という。
また、錬成陣・魔導陣を総称して『魔法陣』である。
「・・・まあざっと説明はこんなもんじゃな。次はルト、お主が3つのうちどの術者か調べんとな」
「調べることができるの!?」
「あたりまえじゃよ。このチェックストーンでな。」
イグネがポケットから小さな石ころを出して言った。
「ん、こんな石ころで?」
「そうじゃ。チェックストーンは色が変わるんじゃ。人によってな」
「その色によって判別できるのか!」
納得した顔でルトが言った。
「ルトは勘がいいのぅ。そんでな、その石を握って5分間目を閉じてみなはれ。金色になったら錬金術師。真っ赤に染まったら魔導師。そしてきれいな虹色になったら特殊能力者じゃ。ちなみにわしは虹色が一番好きじゃて、でもめったに虹色にはのぅ・・・ボソボソ」
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