1・プロローグ

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「何かないかぁ・・・」私、麻衣は只今``恋愛``というモノについて考えている。のは、親友の美華に好きな人ができたから相談に乗ったのだ。 勿論私はまともな恋愛なんてした事ない。12歳なんて年、即ち―――まだ小6なのだからこのご時世恋愛というモノを深くまでは知らないのだ。辞書で調べても、パソコンで調べても分からない。経験をしていたら色々と分かるかもしれない。だけど、その経験とやらをするには好きな人をつくり、告白をすれば良いのだろうか。 「うーん・・・」何か違う気がする。やはり、実際に「告白」をすれば分かるのだろうか? しかし、こんな事思うのも美華に失礼だが、たかが異性に告白する、思いを伝えるだけなのにそんなに悩む必要があるのだろうか?普通に「好き」と言えばそれで済む話なのにそんな事も言えないと考えたら、人間って弱い。 特に片思い中の人間は。 だけどそんな事言える訳もなく日々この事に悩まされているのである。だから聞く事にした。 「・・・もしもし?」 「あ、麻衣?どうしたの?」もう一人の親友、絵里だ。絵里は恋愛に兎に角詳しく、恋愛以外にも日常の事に関しても詳しいという今時の小6にしては珍しい――――そういった子だ。もともと調べるのが好きな絵里だが、私達とは違う「調べ方」をするのだ。気になったらとことん片っ端から調べて・・・・・・というのが彼女の特徴だ。 都合のいい事に彼女は成績優秀なのだ。そこが何とも言えぬ感情でいっぱいなのだ。憧れ・嫉妬を含んだ感情。 「あのね、実は・・・―――」そうして私は美華の出来事を全て話したのだ。そして数分後―――― 「そうだね、それは告白しにくい訳だ。」 「え?」何で分かるのだろう。本人に会って話した訳ではないのに、私の話を聞いただけで・・・?しかも本人から聞いた私は分からないというのに? 美華に内緒、という複雑感を抱きながらも私は明日の土曜に絵里と会う事にしたのだ。
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