夢は願望をあらわす鏡

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手には長いロッドを持ち、せんたんにあおい球体がついている。 「黒魔術師でーす」 シニカルな笑みでおどけて見せ、ひらひらと杖を左右にふる。 「……いも?」 突然の炭水化物。 「ん? 名前が知りたかったんじゃないの?」 じゃがいもというのは彼が《夢》で使用している仮の名前なのだと理解するまで、たっぷり十秒はかかった。 ポカンと間のぬけた顔をする大翔に、じゃがいもと名乗った男性は苦笑した。
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