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「おひとりでは困難なことも――」
トリスがおだやかな口調でことばをつむいだ。
「――心を受けとる絆が得られれば、別の展開がひらかれるかもしれません」
さざなみが広がる。水は重力にさからって宙を舞い、長方形を形成した。
「よい旅になりますことをお祈り申し上げます」
トリスはそれ以上しゃべらない。
話は終わりだと判断し、大翔は水鏡へ手をのばす。指先がふれ、波紋が広がった。
「いってらっしゃいませ」
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