1章 ー無くなる平穏ー

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あぁ…気分が悪い。 こういう時は何も考えずに身体を動かすと気が紛れる。 幼少の頃、祖父からよく格闘術を教えて貰っていた。 おじいちゃんっ子だった俺は祖父と一緒に遊んで貰う感覚でそれを行っていた。 空手とも、柔道とも、ボクシングとも、合気道とも、剣道とも言えない格闘術。 なんとか格闘術…… 幼少期の記憶だから名前はよく覚えていないが… はっきりと覚えているのはこの格闘術を祖父が俺に教えてくれた事、そして〝型″。 それだけだ。 技の名前は分からないながら毎日叫んでいたし、大して難しい名前じゃなかった。 祖父が幼い俺に気を使って難しい事を教えなかったのか、それが全てなのかは分からないが、それはちゃんと覚えている。
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