1章 ー無くなる平穏ー

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先生の顔から笑みが消えたのがハッキリと分かった。 「昨日…?」 何か良くない事を聞いてしまったようだ。 しかし、ここまで聞いてしまった以上、後には引けなかった。 「…はい。なんかパトカーが来て学校閉鎖されてたじゃないですか」 「……」 少しの沈黙が俺に恐怖心を与える。 何という緊張感だろうか。 俺はそんなにも聞いてはいけない事を聞いてしまったのだろうか。 少しの沈黙の後、吉積先生が口を開く。 「昨日はパトカーなど来てないよ。学校も普通にあったろ」 「えっ」 その言葉は冷たかった。まるで感情の篭ってない言葉。 吉積先生から聞き出した事より、その感情の無い言葉の方が気になった。 そして先生は続ける。 「放課後残れ。教室で待ってろ」 まるで氷の様な冷たい言葉。 「絶対、帰るなよ」 俺は完全にのまれていた。 吉積先生のプレッシャーに。
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