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帰りのホームルームが終わる。
残れと言われたが、何か良くない予感がする。
冗談抜きにヤバイ。そんな気がしてならない。
今ここで帰っても問題を先送りにするだけで、何も解決しないだろう。
それでも俺は明日の不安より、目先の安心を選んでしまったのだ。
今、俺は下駄箱に居る。
ホームルームが終わり、下校する生徒に紛れてここに来た。
普段から存在感は薄い方だ。
誰かに記憶されずにここまで来れたと思う。
だけど、ここまで来て急に鳥肌が立った。
気配を消すトレーニングなどした事は無い。
ただ俺は〝その他大勢″に…〝生徒A″になっているだけだ。
それは認識されても、記憶に残らない。そうしてるだけ。
だから気配を消すなんて出来ないし、気配を察知する事も人並みにしか出来ないのだ。
でも、俺は今ハッキリと感じた。
すぐ近くに。
真後ろに。
もう一度言おう。
俺は気配を察知する事は人並みにしか出来ない。
なのに何故こうもハッキリと分かるのだろうか。
人が
俺に向ける
〝殺気″というものを。
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