1章 ー無くなる平穏ー

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こんな俺だが、密かに望んでいる事がある。 思春期男子なら誰もが思うだろう。 いや、思春期男子じゃなくとも思うだろう。 そう、恋人。ガールフレンドってやつだ。 俺も間もなく高校2年になろうと言う歳になった。 なのに、生まれてこの方16年。浮いた話は0。 心無しか、最近では女子との距離も開いている。 モブキャラクターである事を選んでしまったばかりに俺はクラスで空気になってしまったのだ。 休み時間、教室で寝てる奴は俺である。 勘違いしないで欲しいのだが、2人1組みのペアをつくる時や、自由にグループをつくる時に余る人間という訳ではない。 そんな個性すらないのだ。 別に美少女の彼女が欲しいとか、羽の生えた女の子が空から降ってこないかなーっとか、そんな個性的な彼女が欲しいとかは全く思っていない。 …と言ったら嘘になるかもしれないが。 俺が望むのは隣の席の由依ちゃん。 彼女は見た目普通、学力普通、運動神経普通。まさにモブキャラの俺にふさわしい女の子なのだ! またまた勘違いして欲しくないのだがそれが理由ではない。 理由などない。日々の学生生活をおくる上でたまたま隣の席になり、なんとなくお喋りをして、なんとなく気になり、なんか好きになっていたのだ。 恋ってそんなものだよね?
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