「恋」という名の足枷

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ガタンゴトン ガタンゴトン 心地が良い汽車の音が耳に聞こえる。 平和とはなんなのか考えてしまう。 「ニュータウン。ニュータウンに着きました。降りる際には足下にご注意下さい。」 駅につき、アナウンスが聞こえてきた。 「中尉。起きろ。中尉~」 低い男性の声が聞こえる。 「はい。起きました。なんでしょう。」 目を開けるとそこには、黒い瞳に黒い髪の男がのぞいていた。 「ついたよ。ニュータウンに。これから私たちが新しく、勤務をする町に。」 優しげなこえで寝起きの女性に答える。 「そうですか。あっ、すいません。私、ねてしまって、、、」 慌てて立ち上がった女性に男性が 「いいんだよ。君、最近の激務で、あまり寝ていなかっただろ。」と無邪気な子供の様な笑顔を浮かばせ、言った。 「しかし、中佐の副官として」と女性が言葉を続けようとしたら、 「わかった。わかったからもう降りるぞ」と言葉をさえぎった。 汽車から降りると、「中尉ー!中佐ー!」と男たちのこえがした。 二人は軍人なのだ。 男の方は、まだ20代という若さで、中佐になった、リル・タルナ。剣術に長けている男だ。 女の方は、軍では珍しい女性で、中佐の副官のロミナ・クリエッタ。狙撃の類いが一流女性。 二人は男たちの声がしたほうへ走る。 「いやぁー君たち。遅れてすまんねぇ。」リルが軽く謝ると 「時間厳守といったのはだれなんですか?」くろぶち眼鏡の童顔男性、ハルナ・ブラット小尉が怒りながら言うと、 「許してやれって。」と優しく、ハルナをなだめた。この国、アメーナでは珍しい、緑の瞳をもった男性、クルミナ・ストンス小尉が言った。 「そうだ、そうだ。君たちはもう少し、上司を、敬いたまえ。」リルがそういうと、 「どうせ、汽車の中で かわいこちゃんを口説いていたんだよ」とクルミナが言うと、 「貴方たち。もうやめなさい。」とロミナがこの口喧嘩みたいな言い争いを止めた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!