第1部『発車メロディと平和の国』

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「食パンにお辞儀されたい」 僕の彼女は少し変わっている。 「洗濯物がトイレに詰まったの」 バカではけしてない。ちゃんとちゃんとした大学に通いちゃんとちゃんとした卒業をしている。 「ねえどうしよっ、カブトムシの幼虫散歩させてたらいなくなっちゃったの!!」 料理も下手ではないし、疲れて帰ったら肩揉みしてくれるし。 底抜けに明るいし笑顔が素敵だし、髪は綺麗でえくぼもある。 「今日ね、怒られちゃった・・・かっぽうぎってジョギングに適した服装じゃなかったんだって!!!」 でもぶっ飛んでる。それもかなり。 そんな彼女をみて最近は癒される。僕の精神少しまずいのかもしれない。 「味噌汁にネギじゃなくてネギマいれちゃったけど許して下さいっ」 彼女は僕が家に帰ったら必ず「頑張ったね」って言ってくれる 彼女の好きなところはいっぱいある。 嫌いなところはない。 いつか給料三ヶ月分の約束を渡せたら 僕はかまわない それがゴールでも。
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