恋に落ちた瞬間。
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そう思うと、また背筋にゾクゾクと悪寒が走る。 気持ち悪くなる。 顔なんか見たくもない─── 満員電車の中。 ドアヘ向かって立っている私は、身体をべったりドアへ寄せた状態で、ずっと下を向いていた。 それでも。 私を助けてくれた人の声だけは、耳にはっきりと聞こえてくる。 「だったら、その手に持っているモノは何?」 「こ、これはっ」
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