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 自分にとって苦手な朝がやってきた。 目覚まし時計を止めるでもなく、ただ夢のなかに逃げようと必死に目をつむる。 だがそんな願望は通用するはずがない。 「お母さん、今日は学校休む予定だから」 「何言ってるのよさっさと起きなさい」 お母さんの、眠気を削ぐような高い声が自分の部屋に響く。 この声は嫌いだ。いつも自分を強制的に引っ張りだそうとしているみたいで。 そして、長い一日が始まる予鈴みたいに聞こえて。
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