麗しの瞳

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 それから一週間が経った。クラスの雰囲気にも徐々に慣れてきて、以前のように中庭を眺めることも減ってきた。 それに、奏介が思っていた以上に絢羽の存在は大きなものだった。 とりあえず、話し相手がいるからいいかくらいに思っていたが、なんということでしょう。あれだけ心配していた友達が2人もできたではありませんか。 これも半分は……いや百パーセント絢羽のおかげだ。 最初は、絢羽はあれだけ大きな目(偽)をきらきらさせたかわいらしい女の子だから、きっと男どもがえさに集まる蟻のごとくやってくるのかと思っていたが、その美貌はむしろ、類は友を呼ぶだったらしく、クラスの美女がわらわらと集まってきた すると当然、絢羽の隣で仲良くしている奏介には、この人だあれ?彼氏さん? と。「ちがうちがう、いわゆる幼馴染みってヤツ」「へー、ねえねえ君名前なんて言うの?」「え?おれ?茅崎奏介だけど……」「茅崎君か、よろしくねっ」「あ、うん、よろしく」 これがたいていのパターン。シャイだから名前なんて聞き返せない。そして、こういう人とはだいたいクラスメイト以上友達未満になる。 ところがなかには型破りなヤツがいる。人間って不思議だよな、そんなヤツに限って仲良くなってしまうんだから。 例えば、四つ合わせた机のうち向かいに座って唐揚げを頬張っているやつなんか、「木坂さんおっはよー! いきなりだけど下の名前で呼んでいい? たしかアヤハだったよねっ」「え、うん、いいけど、えっと名前は?」「あっと申し訳ないね、私は九条瑠衣。瑠衣でいいよ」「じゃあ、瑠衣、よろしく」「おう、よろしく! ところで絢羽、そちらの彼氏さんとはどこまでいったんだい?」「え……彼氏って……茅崎のこと?」「そうそう、茅崎って言うのか。で、どうなんだい? 手? それとも口? 意外と足? はたまた最後まで?いやーこの手のことに目がないもんで」 隣で聞いていた(聞こえないふり中の)奏介は心の中で頭を抱えた。こいつ頭のねじ全部ぶっ飛んでるんじゃないか。彼氏さんは何度目かだからまあいい。だが、いきなりどこまでいったってなんなんだよ。しかも、私ヘンタイなんだ告白。この朝っぱらから。それでもって足って何だ足って。手は繋ぐやつで、口はキスで、最後……も分かるのは分かる。足でなにすんの? 
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