麗しの瞳

12/35
前へ
/35ページ
次へ
こんなことを考えていたあのときの奏介は、自分でもまだまだだなと思う。 一週間かけて……いやその後すぐに分かったが、九条瑠衣は想像以上にいかれてる。 そして、今だから分かる。足がなにを指していたのか。手も口も繋ぐこととかキスとかではなく、全部まるっきり『最後』のなかの話だったんだ。ようはどこを使ったか。だから九条のいった『最後まで』は『最後』のなかの『最後まで』だったんだ。なにを言ってるか分からないって? そんな人は幸せ者だ。 こんな初めましてだったけどどういうわけか今では一緒に昼食をとる仲。 そんな九条もルイトモ軍の一員で、黙っていれば八重歯がかわいい女の子だというのに。 短めのポニーテールで、絢羽より明るい栗色に染めた髪は割と背の高いはつらつとした九条によく似合っている。 そしてもう一人、違った角度で型破りだったやつ。奏介の斜め前、九条の左に座っている黄色いカチューシャをつけた黒髪ショートヘアーの小さな子。どうして仲良くなったのか、九条以上に分からない。というか仲がいいと言っていいのかもっわからない。見るからに物静かで、落ち着きがある。そして何でも見透かしているような深い色をした目は不気味ささえ漂うが、悪いやつではなさそうだ。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加