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「いつまで泣いてんの、ほら」
絢羽がそっとさしだしたたのは水色の……たぶんハンドタオル。
絢羽の柔らかな指に微妙に触れつつも心地よい肌触りのするハンドタオルらしきものを受け取り、涙を手荒くごしごしと拭う。
そして、だんだんとはっきりとしてきた目がとらえたのは水色の、やはりハンドタオル。よく見ると生地より若干青い色で猫のイラストが描かれている。
そして、目の前の美少女。
大人っぽい雰囲気を醸し出しているが、身長が低いせいでどことなくあどけない。
肩をそっとなでる大人っぽい茶色の髪。左のこめかみのあたりは二本のピンで流した前髪が留められている。それはもう絢羽の顔に似合っていて、つい視線が奪われる。
だけど、心の中のすんなりと落ち着かない気持ち悪さはとれない。
あれ? ……絢羽ってこんなに美人だったっけ?
いや……確かに絢羽はかわいかった、……けど、美少女と言うよりなんとなく愛くるしい感じの童顔だったような――。
小学生なのだから幼い顔で当然だろうけど、もっとこう……なんというか……。
「な、なに? なんかついてるの?」
わずかに頬を赤らめるが、そんなのお構いなしにジロジロと美少女を目で舐めなわす。
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