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小さな背に、小さな顔、小さな鼻、小さな口、大きな瞳。
大きな……瞳……?
――ああ、そうか。
ここでようやく、合点がいった。
「木坂……お前さぁ、……そんなに目でかかったっけ?」
奏介の胸の中でぐずっていたものの正体がやっと掴めた。絢羽の目はこんなに大きくなかったのだ。
少なくとも三年前は。
絢羽は「ひっ!」と、いないいないばあのように小さな両手で顔を素早く覆う。
まさか……。
「き、木坂?もしかして……せ、整形したのか!?」
そう、木坂絢羽は一重だったのだ。自分の記憶にある限りでは。それでも三日月型の愛くるしい目は男子からもかなりの人気で、子猫みたいで癒やされる、とか、あの笑顔でとろけちゃいそうなどと評されていた。それなのに、何があったか知らないが顔にメスを入れてしまうなんて。
もちろん、大きな瞳で大人っぽい絢羽もとびっきりの美少女だとは思うけど、それでも親からもらったその顔を切って縫って変えてしまうのはどうなのだろうか……。
両手で頭を抱え、ガクリとうなだれる奏介。
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