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「ちょっ、ちょっと何言ってんのよ! 整形なんてしてないって!」
「え……?」
周りに聞かれないように、囁き声で吠えながら、手をどけてぐいっと顔を近づけてくる。
目の前にあるのは紛れもなくかわいい女の子のきれいな二重だ。
「じゃあその目は――」
「アイプチよ、ア・イ・プ・チ!」
絢羽はふんと鼻を鳴らしながら手を腰に当てて胸を反った。身長に見合ったサイズだなーと少し感心。
「それじゃあ、そのアイパチってやつ使えば二重になれるのか?整形とかしなくても?」
「そうよ、もう魔法のアイテムなんだから。それとパチじゃなくてプチよ、プチ。……っていうか知らないんだ……」
さもテレビに腰を抜かすアフリカ民族を見るような目で絢羽は見てくる。
「幸いにも女友達なんてまともにいないんだよ」
へー、以外。絢羽はそっと呟いたが、奏介の鼓膜には届かない。
「とりあえず知ってる人がいて良かった。改めてよろしくね、茅崎奏介」
うふっと小首をかしげるパッチリ二重の絢羽は、悔しいがかなりかわいい。胸がドキンと一度大きく脈打ち、つい慌ててしまう。
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