0人が本棚に入れています
本棚に追加
「たっだいま~!!!」
普段はあまり開かない玄関のドアが元気よく開かれる。
その人物は意気揚々と玄関で靴を脱ぎ、若干スキップ気味でリビングに入る。
ここは小さめの2DKのマンションの一室なのだが、彼女がまとっている雰囲気はお嬢様の"それ"で、まるでこっちまで大きな応接間に居るようだ。
色素の薄い髪をハーフアップにしている上碧眼、でだいぶ日本人離れした彼女、璃風は自分の話を聞いてもらうのが好きだ。
一方私は、話すより他人の話を聞くことの方が好きなので私たちはそこそこうまくやっている。
「でねっ、唄ちゃん、今日はね、とよしま幼稚園に行ってきたんだけどね!!!みんなすーっごく可愛かったの!!」
ーうん
「それでねそれでねっ、すっごく可愛かったからころしてきちゃった~えへへ!」
彼女の口から出る言葉はとても物騒である。
普通なら友達でも知り合いでもない彼女を警察へ突き出すだろうが私はそうしない。
なぜか?
それは私が彼女は子供しか殺さないと知っているからである。
その点において、私は彼女を信じている。
信じているから、彼女を見ていて何とも言い難い気持ちになる。
最初のコメントを投稿しよう!