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世の中は理不尽だ。
少なくとも俺はそう思っている。
今、俺は信号が青になるのを待っている。その隣にいるのは、親友の好きな子だ。
そう言えば、あいつ告白するとかなんとか言ってたな。俺は歩きながらそんなことを考えていた。
「あの、 不破君」
成功したのかな。 ん? 俺、今、呼ばれなかったか?
思考回路が少し遅れて俺は返事をした。
「ん? 何?」
あぁ、しまった。彼女の顔を見ると今にも泣きそうだった。それもそうだ。親友の話を聞いてくうちにわかったことなんだけど、彼女はクラスの中でも最も喋らないグループに入る子だ。
「ごめんね? 俺、今考え事してて。」
「あ、いえ… えっと、あの!…さよなら…。」
「あぁ、さよなら」
何か言いたそうだったな。だったら言えばいいのに… いや、彼女は言いたいことを呑み込んでしまう性格か。
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