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……
門が開くとそこには、国の名前に相応しい人々がたくさん集まっていた。
アゴヒゲをこれでもかと貯えた者。
見たことをないようなきらびやかな宝石をゴテゴテにつけている者。
大きな王冠を自慢げに磨く者。
自分が行った交渉の成果を自慢する者。
「王様」といったらこんな人だろうと考える王がざっと数えて200ほど。
「ほあ……」
自分はこの国に相応しいわけがないとは思っていたが、まさかこれほどとは…
「とりあえずお金はあるし、お風「おいお前!!!」
エルムは数センチ、飛び上がった。
「お前だ!そこの汚いの!うわ来るなこっちに来るんじゃないぞ!そう、そこから我の話を聞け!」
辺りを見回すと、一人の小さな少年を見つけた。
小さな王冠を被り、赤い紅いマントを羽織っていて、他の王と違うのはあまりに小さい事で…
「はい!なんでしょう?」
小さな王との距離は牛5頭と羊2匹、それから馬を3頭つれてきても余るぐらいの距離が離れていて、エルムは叫ばなければならなかった。
「お主をわしの家へつれていく!そのように汚い体じゃ何処の家でも門前払いじゃぞ!」
この少年は不思議なしゃべり方をする、なんというか、じじくさいというか……
それに自分のことをわしというのか…
「おおい!はやくせぬか!」
いつのまにか少年は随分と遠くまで行ってしまっていて、エルムは慌てて駆け寄った。
……
「ここじゃ!」
エルムはまず疑問を抱いた。
これが家…?いやいや、こういう家は写真でしか見たことないぞ…?家というより宮殿…?
とにかく私が知ってる家じゃ…
きょろきょろ見回していると、後ろから棒で小突かれる。
「こやつを風呂につれていけ!」
そう、少年の幼い声が耳に入った瞬間、服が消え去ったのだけは覚えている…
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