私は医者

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事務室を後にした。 「先生、なんであすこまで恐怖心がないのかな?」 「さあーね」 「似てるからじゃない?あの人に」 「なるほどね」 看護師たちの噂話は廊下には…先生の耳には届いていなかった。 私は病室に入った。 「長谷川さん。ホットミルク持ってきましたよ。」 彼はこっちをみて起きあがった。 「ありがとう」 「いえいえ。どうぞ」 二人の間を静寂がつつむ。 彼は、ゆっくりコップに口をつける。 「おいしい。」 「そっか。よかった。」 また二人を静寂がつつむ。 「何も聞かないですね?」 男はつぶやく。
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