鎌田新

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 子どもの時からそれは変わらない。  周りから良く思われたくて、人に親切にする。  自分の本心を殺して、勉強に励む。  トップを取れるほどの実力があれば、自分のために打ち込めたかもしれないが、期待するだけ無駄だった……。  それでも私のノートは、不必要なまでに丁寧だった。  テスト前にクラスメートが借りにきてくれるからだ。  コピー代が安くすむように、色のマーカーよりも波線や二重線を多用していた。  もちろん、無遅刻無欠席無居眠り。  真面目と言われ続け、それだけが私のステータスだったけど…………、  怖かっただけだ。  “いい人”でいたかっただけ……。  都合の“いい人”でもいい。どうでも“いい人”にはなりたくなかった。
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