あなたにインタビュー！

１ 背中合わせのインタビュー

ことの始まりは、今月の頭だった。

宿題をやりながら、11月に提出する文化部合同誌のネタを考えていたとき、同じ新聞部のちぃちゃんこと高月千沙(こうづき ちさ)から電話がかかってきた。

『みぃ、合同誌のネタ、考えた？』
「ううん、まだ。アイデア出てこなくて、どうしようかなって。ちぃちゃんは９月号のインタビュー、誰だっけ？」

そのことなの！とちぃちゃんは食いついてきた。

『今回のインタビュー、川口くんなの。ねぇお願い、１月号のみぃの担当と交換してくれない？』

「つまりは、今月私に智ちゃんのインタビューをしろと」

うん、と申し訳なさそうにちぃちゃんが答える。

『合同誌のことで大変なんだろうなってことはわかってる。でも、川口くん、女の子とまともに話してるのはみぃくらいなんだよ』

必死なちぃちゃんの言葉に、電話口にもかかわらず後ずさりした。